PMP合格体験記
プロジェクト内のニュースレターにPMPの合格体験記を寄稿したので一部改変の上転載しておく。転載なのでいつもと文体が異なるのはご愛嬌。
PMPって?
Project Management Professionalというアメリカの非営利団体PMIが認定するプロジェクト管理の代表的な資格です。
同協会が監修するPMBOK(プロジェクトマネジメント知識体系ガイド)という書籍をベースにプロジェクト管理全般の知識が問われます。
受験には36ヶ月の関連実務経験と35時間の関連研修受講が必要で、試験は4時間200問(長い!)。
また、資格の維持のため3年ごとに60時間分の学習が必要です。
合格までの道のり
- 2013/2-4月 プロジェクトマネジメント社内認定資格のトレーニング受講。
- 7月本格的に学習開始、11月初旬受験を目指して平日1時間/日・休日2時間/日で予定を立てるも最初の1ヶ月以外はSPI*1 0.6-0.8の低空飛行でなんとか続ける。バッファを見込んだスケジューリングが大事と自分の学習計画を通し実感。
- 8/26 社内認定資格のオンライン試験受験、合格。
- 11/4 学習の目処が立ったので12月後半受験予定で申請。(つまり1.5ヶ月ビハインド)
- 11/10 「受理されたから受験料払って受験日決めてね」とのメール受領。PMP受験時には何名かに1名非常に面倒なAudit(受験資格審査)プロセスが発生すると聞いていたが、本メールでスルー出来たのだと思い込む。
- 11/19 「あなたはAudit対象になりました」とのメール受領。もうAuditはスルーしていたと思っていたので焦る(しかし受験料支払済のため後戻り出来ない)。社内研修担当者に連絡し研修エビデンスを取得したり、出身大学に英文修了証明書を送付依頼したり、上司に経歴資料にサインしてもらったりに追われる。
- 12/11 「Auditプロセス完了したよ」とのメール受領し一安心。Auditプロセスにずいぶん時間取られたことに徒労感を感じる。
- 12/22 PMP受験、その場で合否が出るためガクブルしながら終了・採点ボタンを押したところ何とか合格!
役に立った?
PMBOKが「インプット」「ツールと技法」「アウトプット」というフレームワークで厳格にまとめられているので、非常に冗長ではあるのですが、その分体系立ってまとめられており、これまで必要に迫られて学んできた断片的な知識を整理出来たのは非常に良かったと思います。
プロジェクト管理のために必要な内容が不足なく盛り込まれているので、「最近何か考え忘れていることないか?」と思ったときに見返す先が出来たことは大きな安心感があります。
これから受ける人へのアドバイス
- 申請は出来るだけ早めにしよう!
僕のようにAuditにひっかかる不運もありますし、とにかく受験申請までの手続きが思った以上に大変です。半年くらい前からは受験日をだいたい決めて、そのために必要な学習計画とともに申請計画を立てておくと良いでしょう。
- 実業務をイメージしながら勉強しよう!
「プロジェクト管理」といっても学習領域は広範で丸暗記出来るボリュームじゃありません。出来るだけ実業務を思い返しながら「このテクニックはあの場面に適用出来るな」などと考えながら学ぶと記憶に残りやすく、かつ知識を活用出来る機会も増えると思います。
- 英語が出来ると有利かも?
試験は日英併記されており英語を読まずにも解けますが、両方読むことで簡単に解ける問題もあったりするので、苦手意識を持たず英語にチャレンジしていただきたいです。特に重要な単語は英語でも覚えておくといいと思います。
勉強内容
どれだけの勉強をすることで合格出来たかの目安として勉強内容を記載しておきます。
- 『世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント』
まずは本書でプロジェクトマネジメントについて概要を振り返りました。確かに平易に書いてあるけど分厚いので結構読み終わるのには時間がかかる。試験パスするだけならいらないかな?
ちなみに、この本を購入したのは2008年ころで半分ほど読み放置していたのを読みなおしたという感じ。
- 作者: G.マイケルキャンベル,サニーベーカー,G.Michael Campbell,Sunny Baker,中嶋秀隆
- 出版社/メーカー: 総合法令出版
- 発売日: 2011/07/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 10人 クリック: 65回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
- 『PMPパーフェクトマスター』
次に本書で本格的にPMPの勉強を開始。僕が受験したタイミングはちょうど第4版→第5版に切り替わるところだったので、本書の第4版対応版を仕方なく使いました。(その差分の吸収は後述)
章末毎に数問の練習問題、巻末に試験1回分の模試がついているので、回答後に○(自信持って正答出来た)、△(正答出来たけど何となくで答えた部分や不安あり)、×(誤答)でチェックしていき、△と×のものだけ繰り返し解く、という使い方をしました。
ここでPMBOKです。まだ第5版の日本語訳が出ていなかったのと、上述の通り英語での表現を把握しておくため、ということで原典にあたりました。 勉強になったかというよりも「ちゃんとPMBOKをひと通り読みきった」という達成感と自信のほうが大きかったように思います。
ちなみにPMI会員になっていたので、購入せずにPDFでダウンロード&Kindleで読む、という感じでした。
A Guide to the Project Management Body of Knowledge: PMBOK Guide
- 作者: Project Management Institute
- 出版社/メーカー: Project Management Inst
- 発売日: 2013/01
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
こちらの1日間の講座に会社負担にて行かせてもらえました。時間配分などの受験の練習にもなったし、その時点でどのくらいの実力なのかを把握することが出来たし(まだPMBOK3割くらいしか読んでない時点での受験で合格ラインちょっと下くらいまでは取れてた。なのでちょっと安心。)良かったと思います。この模試の問題も後々○△×で繰り返し解きました。
- 『PMP Exam Prep(通称Rita本)』
こちらも英語ですが、PMPの良質参考書として有名な本書をひと通り。こちらも残念ながら第4版のものを使ったのだけど、これが非常に実践的内容で良かったです。こう間違えやすいよ、とか、こういう理由でこれが正解なんだよ、とか普通にまとめられた解説本、参考書では手に入らないアドバイスばかりでした。
本書にも試験1回分の問題が付いているのだけど、これは全て解き終わる前に試験日を迎えてしまいました。上述の日立IA模試でだいたい感触が分かっていたので「まぁ無理して全部やり切らなくても大丈夫か」という感じでしたが。
PMP Exam Prep: Accelerated Learning to Pass Pmi's Pmp Exam
- 作者: Rita Mulcahy
- 出版社/メーカー: Rmc Pubns Inc
- 発売日: 2013/06
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
以上です。たぶん合格することだけを考えたらもっと少ない時間で出来たと思います。が、受験を通して体系的にプロジェクトマネジメントを学ぶ、という意味では決して無駄ではない、効果的な学習だったと思っています。
今後受験される方の参考になればと!
*1:Schedule performance indicator、当初スケジュールよりも進捗がどの程度アヘッド・ビハインドしているかを示す数値。1.0であればオンスケ